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官民連携・伴走支援 2026.04.03

市町村事務の再編・統合、どこまで進む? 現場を知る支援者が整理する広域連携と官民共創の今

TOWN FIRSTの内村です。

地元出身・職員・調査会社、3つの立場で見てきた自治体の現実

かつて私も町役場の職員として働いていました。小規模自治体の職員になる方は、その地元の出身者であるケースが多いかと思われます。私もその1人です。

地元の自治体で働く理由は人それぞれで、地元を盛り上げたい、地域貢献したい、何となく実家から通えるからなど、たくさんあるでしょう。近年では小規模自治体でも他自治体出身の職員が増えてきました。私の勤めていた自治体でも第1志望の自治体には残念ながら受かることができなかった方が入職されるケースが見られます。

私はその後、町役場を退職し、民間の調査会社において北海道内の多くの自治体を営業訪問してきました。総合計画をはじめとした各種計画策定の業務を業者に委託する自治体もありましたが、予算がつかずに内製(自前)で策定業務を行っている自治体はそれ以上にありました。また、BPO(業務委託)に関わる仕事を自治体様とさせていただいた経験もあります。

私も地方の小規模自治体出身なので、内情は知っている分、全国の職員の方々は大変ご苦労されているものと思われます。

公務員のなり手が不足、地元出身者も少ない応募状況

現在の各自治体の採用状況はどうでしょうか?昔と比べて応募する学生は減っているように思います。このままの傾向が続くと人手不足により事務が回らない、職員一人あたりの業務量が増えるなど、様々な問題が出てくることが想定されます。

私が公務員試験に応募した当時は、受験する方は技術職含めそれなりにいたかと思いますが、現在の状況はどうでしょうか?地元出身の高校生や大学生でさえ、応募しない状況が地方の小規模自治体では発生しています。全体の応募者が1桁の自治体もあるのではないでしょうか。

新聞などでもよく目にするようになってきましたが、近年、地方の市町村では技術職などを中心に公務員のなり手が不足し、事務処理に支障が生じかねない状態になっています。それをふまえ、国の方でも2026年より市町村事務の再編・統合に向けた検討に入るとしています。

このままいくと10年後には1自治体単体では事務が回らなくなる時代がくるかもしれません。

自治体事務再編・統合の未来

少子高齢化と人口減少が加速する中で、従来の「一つの自治体ですべての完結した行政サービスを担う」というモデルは、物理的にも財政的にも大きな転換点を迎えています。

市町村事務の再編・統合は、もはや単なる効率化の手段ではなく、自治体機能を維持するための「生存戦略」となりつつあります。今後予測される主な動きと、その背景にある論点を整理しました。

1. 事務の「共同化」と「広域連携」の加速

かつての「平成の大合併」のような境界線の変更を伴う合併ではなく、自治体の枠組みを維持したまま中身(事務)を統合する動きが主流になります。

  • 定住自立圏・連携中枢都市圏:中心となる都市と周辺自治体が協定を結び、医療、福祉、公共交通などのインフラを共同で維持する仕組みです。
  • 一部事務組合の拡大:ゴミ処理や消防だけでなく、デジタル基盤の構築、税の徴収、専門職(建築主事や弁護士など)の共同雇用が進みます。私が勤めていた自治体でもゴミ処理を近隣の市と連携して進めています。
  • DXによる標準化:2025年度までの「自治体システムの標準化」により、システムが共通化されるため、隣接自治体同士で事務をシェアするハードルが劇的に下がります。

2. 「行政の外部化」と官民共創

事務の再編は、自治体間だけでなく「官から民」への流れも強化します。

  • BPO(業務委託)の高度化:単純な窓口業務だけでなく、専門知識を要する企画立案や分析業務まで外部委託するケースが増えています。
  • 指定管理者制度の進化:公共施設の運営だけでなく、地域課題の解決そのものを包括的に民間企業やNPOに委託する「エリアマネジメント」の手法が広がります。

3. 専門人材の枯渇と「シェアリング」

特に小規模な自治体において、土木職、建築職、保健師などの専門職員の確保が困難になっています。

  • 兼業・副業職員の登用:都市部の民間人材を週数日だけリモートで雇用したり、複数の自治体が一人の専門家を共同で雇用するスタイルが一般的になります。
  • 「書かない窓口」による省人化:事務手続きそのものを自動化・簡略化することで、限られた職員を「直接的な住民支援(対人サービス)」に集中させる構造へと変化します。

事務を統合・効率化していくことによる今後の課題

  • 責任の所在:共同化した事務でトラブルが起きた際、どの自治体が責任を負うのか。
  • 住民サービスの均一化と個性:効率を求めすぎると、その地域特有の細やかなニーズが切り捨てられるリスクがあります。
  • 民主的統制:広域連合などの意思決定プロセスに、住民の意見が反映されにくくなる「民主主義の欠如」への対策が求められます。

「行政サービスの維持」と「地域独自の自治」をどう両立させるか。事務の再編は、単なる事務作業の整理ではなく、「その地域がどう生き残るか」というデザインそのものであると言えます。

自治体業務の一部を民間に委託することについて

全国の自治体では、職員が他の複数の業務を行いながら、計画策定業務を行っていることと思います。地方の小規模自治体では、ただでさえ職員一人あたりの業務量が膨大にあります。その中で計画の策定に向けて、住民の意見聴取や会議の開催などを担うことは、かなりのハードワークになっていると想像します。

これからますます職員不足になることを考えると、今後は予算の範囲内で部分的に委託するという新たな形が出てくるかもしれません。計画策定業務の委託料を予算付けできない自治体は各種計画の一部を委託するのはどうでしょうか?

弊社では下記のようなスポット的な支援も柔軟に対応させていただいております。

  • 住民の意見聴取のみの支援
  • 計画の体裁調整のみ
  • 骨子案の作成のみ

少しでも気になる方はお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

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