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DX・業務効率化 2026.04.03

公務員の働き方改革、どこまで進んでいる? 現場を知る支援者が整理する先進事例と課題

TOWN FIRSTの内村です。

新入職員の皆さんは、挨拶まわりや見慣れない書類の数々に悪戦苦闘の日々かと思います。

農林課の新人だった私が見た、公務員の「昔」と「今」

私も入職した1年目は右も左もわからず、上司にお願いされたことを淡々とこなしていたのを覚えています。最初の配属が農林課だったこともあり、日々刺激的な毎日を過ごしていました。

さて、私が勤めていた頃の公務員の働き方は「安定しているけれど、前例踏襲、決められた就業時間プラスアルファー」というイメージがありました。

それが2026年の現在は、深刻な人材不足とDX(デジタルトランスフォーメーション)の波によって、その姿が急速に変わりつつあります。

現在の主な動向をいくつか整理しました。

1. 「時間」から「柔軟性」へのシフト

これまでは「ノー残業デー」のような一律のルールが中心でしたが、現在はより個人の事情に合わせた柔軟な制度が広がっています。

  • 完全フレックスタイム制:コアタイム(必ず勤務すべき時間)を設けないフルフレックスを導入し、当日でも勤務時間を変更できる仕組みを整える自治体が出てきています。
  • 部分フレックスの検討:2026年の議論では、テレワークの日だけフレックスを使える「部分フレックス」など、より実務に即した法整備が進められています。

2. 厳格化される残業管理

民間企業から遅れる形にはなりましたが、公務員の世界でも「残業の上限」が明確に運用されるようになっています。

  • 上限規制:原則として月45時間・年360時間というルールが浸透し、これを超過する場合は厳しいチェックが入るようになりました。
  • PC強制シャットダウン:物理的に仕事ができない環境を作る自治体も増えています。

3. DXによる「業務そのもの」の削減

単に時間を削るだけでなく、生成AIや電子申請の導入で、今まで手作業だった事務を自動化する動きが加速しています。

  • 生成AIの活用:議事録の作成や答弁資料の素案づくり、住民からの問い合わせ対応などをAIが担うことで、職員がより「企画・対話」といった人間にしかできない業務に集中できる環境作りが進んでいます。
  • 操作時間の短縮:システムの導入により、1人あたりの操作時間を60%以上削減できた事例も出てきています。

4. 課題:テレワークの「格差」

一方で、窓口業務や現業部門を抱える自治体では、テレワークの実施率が15%程度にとどまっているというデータもあり、部署間や自治体規模による「改革の格差」が新たな課題となっています。

地元の活性化や、やりがいのあるキャリアを考える上で、こうした「働きやすさ」の変化は非常に重要なポイントになっています。職員の自治体間転職がホットワードになっている現在では、より働きやすい自治体に人が流れていくのは当然のことと思われます。

働きやすい環境を求めて、先進的な取り組み事例

地方自治体における働き方改革は、単なる「労働時間の短縮」を超え、「優秀な人材をどう確保し、限られた人数で地域を支えるか」という戦略的なフェーズに入っています。

1. 「時間」の制約をなくす|大阪府 寝屋川市

全国でも珍しい「完全フレックスタイム制」を導入しています。

  • 内容:コアタイム(必ずいなければならない時間)がなく、1日最短15分から最長11時間まで、当日の申請で勤務時間を変更可能です。
  • 効果:「朝は子供を送り出してから10時に出勤」「通院のために午後は15分だけ勤務」といった柔軟な働き方が定着。結果として、年間10万時間を超えていた時間外勤務が大幅に削減されました。
  • 工夫:窓口業務については「窓口専門職員」を別途採用することで、一般職員の柔軟なシフトと住民サービスを両立させています。

2. 「場所」の制約をなくす|北海道 登別市・長野県 長野市

「どこでも働ける職場」を目指し、ハード・ソフト両面での改革を進めています。

  • 内容:保育士や消防士を除く全職員を対象にテレワークを導入。公用スマホやチャットツールの配布により、庁舎外でも円滑なコミュニケーションを可能にしました。
  • 効果:育児や介護中の職員の離職防止につながっています。また、管理職が積極的にテレワークを活用することで、組織全体のペーパーレス化(印刷量半減など)も進みました。

3. 「スキル」で業務を削る|島根県 江津市

小規模な自治体ながら、職員のデジタルリテラシー向上に注力しています。

  • 内容:2026年度末までに全職員のITパスポート取得を目標に掲げ、受験費用の公費負担や庁内学習会を実施しています。
  • 効果:職員自身が業務のムダに気づき、電子決裁やRPA(事務自動化)を自ら提案・運用する文化が醸成されています。

4. 「外部の力」を借りる|兵庫県 神戸市・奈良県 生駒市

「公務員=副業禁止」の壁を壊し、外部との接点を増やしています。

  • 内容:地域貢献につながる活動に限り、報酬を得ての副業を認めています。
  • 効果:職員が外の世界で得たスキルや人脈を本職に還元する「越境学習」の効果が出ています。また、逆に民間人材を「特定任期付職員」として週3日勤務などで受け入れる事例も増えています。

北海道の自治体でも一部副業を認める自治体が出てきています。

こうした取り組みは、「Uターンして地元に貢献したいが、古い体質の職場は不安」という層への強力なアピール材料になっています。また、優秀な人材を確保するため、初任給を他の自治体よりも高く設けて、募集を行う自治体も出てきています。

今後も公務員の働き方改革はより進んでいく

これまでの働き方と異なる各自治体の新たな取り組みはより一層広まっていくものと思われます。これまでの前例踏襲のやり方では難しい時代になってきました。

弊社ではこのような先進的な取り組みを行っている自治体の事例も常にリサーチを行っております。日々の忙しい業務で手が回っていない場合などは、ぜひ弊社をご活用ください。

ともに公務員の働き方改革を進めていきましょう。

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